AFKして荒城へ。

 静かな部屋でキーボードを毎日叩いている。聞こえるのはエアコンと冷蔵庫の駆動音とキーボードのタイプ音くらいのものだが、頭の中は不安と焦燥で騒がしい。この頃こういった調子が続いていて、定期的なAFK(Away From Keyboard)も必要なのだということを再認識した。そこで、学校の勉強に関わるものや事務的な仕事は平日のうちに行い、土日はタスクを離れて休息をとる日として、切り分けることにした。
 また、こうしたことを取り決めたタイミングで良い本が手元に回ってきた。いろは出版から出ている「365日 九州・沖縄 絶景の旅」である。
 夏休み期間中に非常に落ち込んでいた僕を元気付けようとして母親が送ってくれた本。九州各地の絶景スポットを解説とともに365スポット紹介している。各ページには臨場感たっぷりに撮影された画像とともにそのスポットについての端的な紹介がなされている。その気になれば行ける距離にこんなにも多くの観光スポットが存在していたということに驚かされた。そして、これをきっかけに行ける距離にある観光スポットを調べ始めた。
 かくして、毎週はできる限りAFKをして、外出することにしたのである。
 本日は大分県豊後竹田市。瀧廉太郎ゆかりの地として有名なこの町である。交通手段は電車。大分駅から豊後竹田駅までの普通列車が出ているのでそれに乗る。
 瓦を張った駅舎は崖を背景にして、荘厳な佇まい。駅舎の前には橋がかかっていて、その下には稲葉川が流れる。
 草木に囲まれた河川はなかなか涼しげに見えるが、本日は特に直射日光が猛威を振るっており、かなりの暑さであった。
 
 瀧廉太郎トンネル。通ると瀧廉太郎作の曲が流れる仕組み。時間の関係で立ち寄ることはできなかったが、トンネルを抜けた先には瀧廉太郎記念館があり、日本の誇る作曲家の生涯を知ることができるとのこと。
 
 そして、崖の上に見えるのが本日の目的地。荒城の月の”荒城”と推測される岡城址である。岡城自体はなくなってしまっているが、その基礎部分が崖の上に残されている。断崖の上に石垣を積み上げ、当時は難攻不落の城として知られていたそうな。
 
 入り口付近からの眺望。城自体が高所に作られていることがよく理解できる。谷を流れる河川とその上に建設された道路が見える。
 
 西の丸跡。岡城の政治的機能を果たしていた部分だというふうに解説がなされていた。入り口を入って左側を進んでいった位置にある。左側には来客用のスペースも用意してあった。ここは昔も来客や愉しみの空間として利用されていたとのことだ。
 
 中心部への入り口に建てられた門。巨大な石が隙間なく積み上げられている。中心部には藩主の住む本丸があり、そこへ続くこの門には藩主の権威を示すという役割もあったようだ。この道に続くまで上り坂が続く。重要な部分をどんどんと高くしていくことで防衛上の有利性も得られていると思う。
 上の門に続く道からの眺望。向こう側の山と谷の川、道路が見える。ここの道路はメロディーロードになっている。道路に細かい溝が切り込んであり、その上を車が走るとタイヤとの摩擦で音が出て音楽になる。曲名はもちろん荒城の月。この位置からでも車が走るたびに荒城の月が聞こえてくる。荒城からこの曲を聞くのというのはなかなか新しい体験だ。
 
 本丸付近にある休憩所。自販機とピアノが置いてある。観光案内用のパネルも設置されていて、タッチ操作で付近の観光地を調べたり、古地図を見たりできる。
 青空を背景に瀧廉太郎像。
 本丸跡地。高所であることに加えて、大樹が林立していることで非常に涼しい。神社もある。御朱印とおみくじが置いてあった。
 Googleマップを見ても正確にはわからなかったのだが、多分ここが地獄谷。夏は緑のエネルギーがすごいということだったが、確かに青々としている。
 
 難攻不落の城ということもあって、アップダウンが激しく、歩いてみると結構な運動量になる。立て看板の情報量も多く、運動しながら歴史の知識も増やせる素晴らしい観光地だった。
 
 以上で豊後竹田市観光レポートとする。今回は事前リサーチ不足と、夏バテによる固形物食えない問題によって外食ができなかった。観光マップをみると色々な食べ物が紹介されているので、食欲が復活したらまた訪れたい。次回には瀧廉太郎記念館にも行ってみたい。また、岡城址は季節ごとに全く違う姿を見せるということらしいので、冬になったら雪の積もった姿を見にまた訪れたい。


 

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