内製の怒りについての戒め

 休暇中のつき、ものを考える時間が潤沢にある。これは基本的には良いことだが、悪い面もある。それは、望ましくない思考を長時間続けられてしまうことだ。望ましくない思考というのは、当人にとってプラスにならない、健康的でない思考のことである。例として、延々と自己否定を続けてしまったり、起こりうる可能性の低い不都合を心配し続けたり、ということは健康的でない思考に該当するものだろう。
 自分の場合は、タイトルにもある内製の怒りが深刻だ。今回はこれについて分析して、解決策を考えるなどしてみたい。
 まず、内製の怒りについて説明しておく。これは勝手な造語なのだが、意味するところとしては、「(空想上で)自分を攻撃してくる(空想上あるいは現実の)特定の人物に対して発生する怒り感情」である。
 つまり、例えば、自分に対して否定的な発言を誰かがしてくるという状況を想像して、勝手に怒りを募らせる、みたいな。
 文章にしてみるとなんとも馬鹿らしい話だが、自分の場合はともすると数時間くらい架空の相手と戦っていることがある。特に厄介であるのは、この”攻撃してくる人物”が現実の身近な人物のときである。勝手に増長した怒り感情のために、現実でのその人物とのコミュニケーションが難しくなってしまうからだ。否定的な発言をされたり、約束を破られたり、といった体験があると、これがトリガーになって空想上の敵として現れるようになったりする。
 この問題がいつ頃から顕著になったのかは明らかではないが、振り返ってみると相当昔からこの傾向があったように思う。また、あんまり言いたくないのだが、これが人間関係の崩壊の直接的な要因になったことも実際にある気がしている。
 残念ながらこの問題に根本的に対処することは難しいと思う。それは、内製の怒りは無意識的に開始されてるとしか思えないからだ。誰だって好き好んでこんなことはやらない。制御は非常に困難と思われる。
 そこで、もう根本的な解決は諦めて対処療法的にこの問題に当たることにしよう。以前少しかじった弁証法的行動療法にもヒントがあるかもしれない。
1.まずは自覚的になること。今、仮想的な敵と戦っていること気づく。
2.心理的に安全だと思える場所に自分がいる様子を想定して、否定的な思考を中断する。
3.自分が楽しいと思えることを想像することで、怒り感情から目を背ける。
 体感として、この3ステップはそれなりに有効に機能するものだと言えると思う。怒り感情が発生したときが一番制御が難しいので、とにかく別のことを考えて距離を置くこと、時間を置くことが肝要である。根本的解決ではないために、毎回内製の怒りが発生するたびに行う必要があり手間がかかるが、ともあれ、非健康な思考で一日を無駄にすることは減ってきたように思う。
 非健康な思考習慣も脳の特定の回路で作られているものだと思うので、こういった対処療法で回路の使用頻度を下げれば、事態は少しは良くなるのではないだろうか。流れに任せるというか、なんとも思考放棄的な結論だが、状況が好転していくことを祈りたいと思う。

2 件のコメント:

なすし さんのコメント...

怒りを忘れるくらい夢中になれるものや、その時間だけはすべてを忘れてリセットできる行動やルーチンを作れるといいね

HoriK さんのコメント...

そうですね。

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